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私立高、経済的理由の中退が過去最少 無償化の影響あらわ

  • 2012/05/16(水) 12:53:25

経済的な理由で平成23年度に私立高校を中退した生徒は、1校当たり0.32人だったことが15日、全国私立学校教職員組合連合の調査で分かった。10年度の調査開始以降、ピークだった19年度の1.74人に比べて5分の1となり、最少を更新した。全国私教連は「高校無償化の影響で、私立高生に対する自治体の補助がさらに拡充した結果だ」と分析している。

 調査は組合加盟校など31都道府県の340校(私立高の26%)の28万5506人が対象。23年度に経済的理由で中退した生徒は55校に110人おり、1校当たりの人数は、前年度の0.46人よりも0.14人減った。授業料を3カ月以上滞納している生徒も1校当たり3.5人で最少だった。

 高校無償化は22年4月に始まり、私立高生にも世帯所得に応じて年約12万〜24万円の就学支援金を国が支給。各都道府県も私立高の授業料を補助する制度を拡充している。

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ソーシャルゲームが儲かる仕組み

  • 2012/05/15(火) 12:51:00

黎明期のソーシャルゲームは、携帯電話向けミニゲームに通信対戦機能が付加されたような非常にシンプルなものだった。しかし、現在のそれは、たとえばモバゲー全体では有効会員数2971万人、1日20億超の行動情報(データベースに記録されるゲーム内のさまざまな活動履歴)を扱うに至っているという。プレイヤーが目にするゲームのインタフェイスやゲームシステムはその一部に過ぎず、開発や運用リソースの多くは、データベースの設計やその解析(いわゆる「データマイニング」と呼ばれる領域だ)に割かれているといっても過言ではない。

 とはいえ、ゲーム自体の企画から開発、サービス開始(サービスイン)までの開発の流れは従来のゲームとそれほど大きな違いはない、むしろサービスインの後、ゲームが遊べるようになってから――つまりデータベースにユーザーの行動情報がたまりはじめてからが、ソーシャルゲーム運営の巧拙が問われるといえるだろう。

 実際にGREEやモバゲーのホームページや、ゲームのお知らせ画面を見ると頻繁に更新情報が掲示されているのが分かる。ユーザーを飽きさせないように、さまざまなイベントが用意され、またゲームやイベントの難易度が高すぎた場合には、修正が施され、その旨が告知されることもある。

 従来のゲームは、ゲームを開発してそれを店頭に並べ販売した後は、パッチなどと呼ばれる修正プログラムの配信以外はほぼ何もできなかった。しかしソーシャルゲームではユーザーの動静を見ながら日々刻々と修正や改良が加えることができる。それはゲーム開発を行っているというよりも、Webサービスを立ち上げて、さまざまな指標(KPI=重要業績評価指標)をにらみながら日々改良を加えているといった方がより実情に近い。

 そして、いかにユーザーにゲームで長く遊んでもらい、ゲーム内に用意した目的の達成のために「アイテム」を手に入れたくなってもらうか、が各種指標の向上、すなわちアイテム課金というもうかる仕組みを回すためには不可欠だ。そこでは次に述べるモチベーション(動機付け)をめぐるさまざまな理論が生かされることになる。

ソーシャルゲームが儲かる仕組み

 プレイヤーにとってそのほとんどが無料ではじめられるソーシャルゲーム。Facebookなどのソーシャルメディアからの友人からの誘いに応じて何気なく始め、気が付くと「はまっている」ことも多い。

 1タイトルあたり数千円で販売されるパッケージゲームに対し、提供者側から見ると、ユーザーが課金アイテムを買ってくれるまでは1円も入ってこないモデルだ。その間もサーバーの利用料金などインフラコストは掛かっていく。課金アイテムも1つあたりは数百円単位であることがほとんどで、相当数が出ないともうけがでない。

 実際、CESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)が行った調査によると、モバゲー、GREEとも無課金で遊び続けているユーザーが約75%を占める。残りの15%前後のユーザーにいかにアイテムを買ってもらうかに、各ゲーム提供者は知恵を絞っている。

 パッケージゲームであれば、宣伝やシリーズ作品などは前作あるいは類似作の成績を基にある程度の数字を見込むことができたが、歴史の浅いソーシャルゲームの場合はそういうケースはまだ少ない。そこで、サービス開始前は、ユーザーのモチベーションを高めるべくさまざまな仕掛けをゲーム内に用意し、開始後はKPIの推移をにらみながら調整や改良を加えていくことになる。

 多くのソーシャルゲームではチュートリアルが用意され、ゲームの基本的な進め方をまずは手ほどきしてくれる。その間、ネットの向こう側にいる運営担当者はチュートリアルの途中で離脱者(別のゲームや画面に移ってしまうユーザー)が出ないよう、そこでの説明文の一字一句や画面上のボタンの配置、画面切り替えの演出などに細心の注意を払っている。同様に、課金アイテムの売れ行きはもちろん、その利用状況などデータベース上のさまざまな数値を見て、ゲームバランスを調整していく。そこで行われていることは「プレイヤーのゲームへのモチベーションをいかに刺激し、高め、維持していくか」ということに尽きるだろう。その実態は2章以降でも触れるが、このモチベーションを喚起する仕組みを、「ゲーム」という枠組みにとらわれず、マーケティングの分野でも活用しようという動きが近年活発になっている。そのコンセプトは「ゲーミフィケーション」と呼ばれ、ニュース等でもよく耳にするようになった。

 ややアカデミックな話になってしまうが、ソーシャルゲームを理解する上で重要な話なので説明を続けよう。

 ゲーミフィケーションの第一人者とされるGabe Zichermannは、その理論を、プレイヤー(マーケティングの場合は顧客)を4つに分類して説明している。ゲームやサービスの運営者がそれぞれのプレイヤータイプに応じた働きかけを行うことで、その効果(関心や購買意欲の喚起)を最大化するというのがこの理論の肝といえるだろう。

プレイヤーの4類型は、アチーバー、エクスプローラー、ソーシャライザー、キラーで構成されている。1つずつ見ていこう。

 アチーバーは、ゲーム内に用意されるさまざまなミッションをクリアしていくことにゲームの面白さを見いだすタイプのプレイヤーだ。それによって、自分のレベルがあがったり、さらに強いアイテムを獲得したりすることにゲームプレイの主眼がある。

 エクスプローラーは、ゲーム内を探索し、好奇心を満たすことに喜びを覚えるタイプと定義されている。ゲーム内に隠された謎を解いたり、詳細が分からないアイテムやゲーム内のフィールドを「アンロック」するためにゲームプレイを行うユーザーをイメージすればいいだろう。

 ソーシャライザーは、ゲーム内で生まれるコミュニケーションを楽しむタイプのプレイヤーだ。ソーシャルゲームは、チャットやアイテムの交換などを通じてほかのプレイヤーと協力しなければ、先に進むのが難しい場面が用意されていることがほとんどだ。このタイプのプレイヤーはそういった場面で率先してほかのプレイヤーを仲間に招き入れ、プレイ方法などを手ほどきしながらミッションのクリアを支援する。そのためほかのプレイヤーからの信望も厚い。ソーシャルゲームの魅力や中毒性を語る際、「他者からの承認欲求が満たされる」点を指摘する人も多いが、それは主にこういったタイプのプレイスタイルを指しているといえるだろう。

 最後が「キラー」だ。本書でもたびたび「対戦」について触れることになるが、その名の通り、ほかのプレイヤーを上回るスキルやアイテムを身につけ、勝ち上がることに喜びを感じるタイプだ。

 Zichermann自身も注釈を入れるように、ソーシャルゲームのプレイヤーが完全にこの4類型に分類されるわけではない。あるプレイヤーがある場面ではアチーバーの側面が強くなったり、ある場面ではソーシャライザーとして振る舞うこともある。

ソーシャルゲームの設計や運営で重要なのは、このプレイヤーの4つの側面を理解し、ゲーム内での行動を分析することで彼らの欲求を把握し、それを満たすようなミッションを間断なく用意するといった工夫だ。逆にいえば、それをうまく実現できれば、そのクリアのために必要な課金アイテムがより多く購入され、ゲーム自体の収益性が向上していくというわけだ。

 こういった、「欲求を満たす」という基本的なモチベーションは、いわば情動に基づくものだ。もう1つ儲かる仕組みで重要なのは、「効率的に結果を手に入れたい」といういわば理性に訴えかける選択肢を提示することだ。

 ソーシャルゲームでアイテムを買いたくなる瞬間は、たとえば強いボスを倒せない時というのが代表例といえるだろう。時間を掛けてプレイヤー自身あるいは仲間のステータスを上げれば、ボスを倒し、次のステージへと進めるということが分かっているのだが、まだそのためには数時間、あるいは数日プレイを重ねなければならない――ソーシャルゲームはパッケージゲームと異なり、移動中などの隙間時間にプレイすることが多いため、どうしても進行は遅くなる―― その時、十分にプレイヤーのモチベーションが高まっていれば、数百円でその手間と時間を省くことができる課金アイテムは合理的な選択肢となる。逆にいえば、モチベーションが不十分であればプレイヤーはゲームのプレイをその時点で諦めてしまうだろう。KPIを監視しながらユーザーのモチベーションの「熱量」を常に把握しなければならないのはそのためだ。

 代表例として街作り型ソーシャルゲームのCityVilleを挙げよう。このゲームには、コインとキャッシュという2種類のゲーム内通貨が用意されている。コイン(小銭)の方は、無料プレイでも時間の経過とともに数千、数万単位で稼いでいくことができる。私たちの日常感覚では、このコインを集めればキャッシュ(紙幣)に両替できそうなものだが、そうはなっていないところがミソだ。

 街の住人の満足度を損ねてしまうと、人口が増えず街は発展しない。そのためにまず必要なのが市役所などの公共施設なのだが、ここには職員が必要という設定になっている。職員はFacebook上のほかのユーザーを割り当てることができるが、一般的なユーザーではとてもすべてをカバーできない。

 そこで、キャッシュを払ってNPC(ノンプレイヤーキャラクター=あらかじめゲーム内に用意されたプレイヤー以外のキャラクター)を雇う必要に迫られてくる。

 ゲーム内でアクションを起こすと、それによって得られる経験値の加算によってレベルが上がるが、キャッシュはレベルアップごとに「1」しか得られない。たとえば市役所に職員が5人必要で、1人を雇うのに1キャッシュ必要な場合は、マメにプレイしても数日以上掛かってしまう。せっかくほかのユーザーが街の発展を助けるために手を貸してくれたりもしているのに、なかなか街が発展しないのは、なんだか申しわけないし、かっこわるい、けれども時間をかけるのも大変だ……。こういった問題をいわば「現実のおカネ」で解決できるようにしたのがアイテム課金であり、CityVilleで頻繁にキャッシュの購入を勧めてくるのはそういうわけだ。

 もう1つ例を挙げよう。

 ゲーム性を持たせながら課金アイテムを購入する仕組みとして、携帯電話でのソーシャルゲーム以前から存在していたのが、いわゆる「ガチャ」と呼ばれるものだ。かつては駄菓子屋の前に置かれ、現在でも玩具店などの店頭でよく見かける、100円玉を入れてハンドルを回す「ガチャガチャ」と呼ばれる機械。ゲーム上にそれを再現したのが「ガチャ」だ。

 ユーザーは持っているゲーム内仮想通貨を消費することで、ハンドルを回すことができ、一定の確率で効力の高いアイテムを手に入れることができる。逆にいえば実際の機械同様ハズレ、つまり期待したものと違うアイテムが出てくる場合もある。

 こうやって手に入れたアイテムで、自身のプレイを有利に進めたり、あるいは同じチームで協力プレイを行う仲間にアイテムを与えたりすることで、ゲームのさらなる楽しさを味わえる、というわけだ。ゲーム内のユーザー行動の活発度が下がってくると、ゲーム運営者はこのガチャに特殊アイテムを用意して、ユーザーの利用を促すといった対策を採ることも多い。

 これらの仕組みが、パチンコのように射幸心を煽っている、あるいは人間が本来持つ承認欲求を過剰に刺激しているといった指摘や批判もあるが、それについては第二章以降でくわしく考えていこう。ここでは、ゲーミフィケーションの理論に基づいて、ゲームの運営者は日々ユーザーのモチベーションの「熱量」に目を光らせ、調整に汗を流している、というイメージを持ってもらえればと思う。

ソーシャルゲームに死角はないのか

 さて本書の最初のパートとなる本章では、興隆著しいソーシャルゲームの現状とその仕組みについて概観を見ていった。「ゲーム」と呼ばれるため、その本質がつかみにくかったり、あたかも従来のパッケージゲームを駆逐するような語られ方がされたりすることもあるが、実際には既存のゲーム事業者と協業も図りながら、ソーシャルゲームという新しい市場を各プレイヤーが切り拓いていったイメージもつかめるはずだ。

 一方で、そのあまりにも急速な成長に陰りが見えはじめているのも事実だ。図3で示された成長は、2011年ではやや成長が鈍化していることも現している。

 派手なテレビコマーシャルによる国内の潜在ユーザーの掘り起こしがそろそろ限界点を迎えつつあることの証左ではないか、というのは前述のとおりだ。

 第2章で詳しく述べるように、国産家庭用ゲームは米国勢に押されている。そして、PCベースのMMORPGでは韓国勢がその主導権を握っており、国内で人気を博するタイトルは韓国で開発された作品のローカライズ(地域化)されたものがほとんどだ。そんななか、携帯電話で急成長したソーシャルゲームが、果たして海外にその市場を拡げられるのかが問われる局面に入っているといえるだろう。そこには急速に進むスマートフォンシフト、それがもたらすプラットフォームへの影響など複数の要素が複雑に絡み合っている。

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日本の労働市場に不足しているモノとは?

  • 2012/05/14(月) 17:10:48

論点1:(1)の人の国際競争力

 日本の(1)は、数も少ないしグローバルに戦う力もまだまだです。語学力、多様な経験、ITスキル、リーダーシップ体験、イニシアティブなど、世界でリーダーになるために必須な要件が何一つなくても、日本では一流大学に入れるし、一流企業に入れてしまうからです。

 強い(1)を生み出すには、できる人への税金による教育支援(留学を必須にするなど)や、エリート教育の復活も必要です。しかし、平等神話に侵された日本では、危機感はあれど、これが優先的課題であるというコンセンサスは形成されないでしょう。
論点2:(2)的な専門知識の偏重

 日本は(2)的な職業への尊敬度が大き過ぎます。“専門家”を偏重しすぎ、多くの人が「広く浅く」より「狭く深く」のほうが価値があると思い込んでいます。この根底には、職人文化があるのかもしれません。よく言われる「息子は医者か弁護士に」という言葉も、日本人の専門家好きを表しています。

 この感覚が「多様な経験を積みながら育っていく」という複線的キャリアの価値を認めず、「1つの会社で、1つの仕事だけを突き詰めた人」を“より正しく好ましい人”と位置付ける価値観にもつながっています。

 日本で今一番足りないのは“総理大臣”や“経営者”ができる人であって、“技術だけは一流”の人でも“財務のプロ”でもありません。

 専門知識への偏重度合いが強すぎて、「総理大臣は、どういう資質や適性が必要なポジションなのか?」さえ話し合われることのない社会になってしまっているのが問題なのです。
論点3:(3)の人を(2)にするための教育方法の不備

 「オレの背中を見て育て」とか、「自分たちも20年は下積みをしたんだから、お前も20年下積みをしろ」など、非科学的(精神論的)すぎる育て方が、日本ではいまだに主流です。「効率的に学ぶ」ことが「苦労して学ぶ」より価値がないと思ってる人は、さっさと引退してほしいところです。

論点4:(1)や(2)から、(4)へお金を再配分する仕組みの欠如

 「経済全体が豊かになれば、底辺の人も次第に豊かになる」という考えを、ちきりんは信じていません。パイを大きくすることは大事ですが、パイの大きさは自然な配分をうながしたりはしないからです。

 「日本には巨大な貧困層が存在する」という意識を共有し、少なくとも、生まれた家の財力に関わらず、子どもたちが必要な教育が受けられるだけの支援をする必要があるでしょう。
論点5:経済力以外の基準を用意すること(明示的にすること)

 お金の再配分はある意味、簡単です。しかし「経済力がないから結婚できない」と言われても結婚の機会を強制的に再配分するのは不可能です。

 個人が自分の存在意義を感じる源泉となる家族の存在や没頭できる趣味の有無など、人生に意義を与えてくれるすべてが“経済力”という要素に依存しているのが、今の日本社会の根本的な問題です。

 この辺は佐藤俊樹著『不平等社会日本―さよなら総中流』で提案されていた解の方向性も参考になるでしょう。
論点6:日本的な(4)の再生

 その昔、日本の強さは(4)の人の優秀さにありました。“ラインの改善サークル”とか“アメーバ経営のセル”では、現場の人が自分で考えて提案し、柔軟に非定型な作業をこなしていたのです。

 欧米では(4)の人にそんなことは期待しません。だから、(4)の人が何も考えなくても回る仕組みを作ることが、(1)の人に求められたのです。

 日本企業も今は欧米型の「システムによって、何も考えない人たちを使うモデル」を採用し始めています。でも、本当にそれが優位性のあるモデルなのでしょうか。ちきりんはそれも疑問に思っています。

 前線の人の強さを生かせなかった(1)の人の能力不足が、(4)の人を「何も考えずに機械のように働け!」と言われる世界に押し込めているのではないかと感じるのです。

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「言葉に頼ったコミュニケーションはなぜ失敗するのか?」会話力を高めるための「非言語の共通点づくり」

  • 2012/05/11(金) 16:25:07

アゴを合わせるだけで、相手がべらべらしゃべり出す。その結果、営業マンなら商品が売れに売れて、接客業ならリピーターが続出するという「アゴの魔法」――。
大反響をいただいた前回のインタビューで、まったく売れないダメ営業マンから、たった1ヵ月で全国トップに飛躍した体験を語ってくれた『「聞くだけ」会話術』の著者、松橋良紀氏。その本人から、驚きのスキルを直接伝授してもらえるチャンスである出版記念セミナーは、講義とワークの2部構成。本記事では、 4.25に行われたこのセミナーの模様を前後編でお伝えします!
期待と不安が入り混じった参加者を前に、松橋氏が語り始めたのは、スキルのベースとなるNLPの意外な成り立ち「モノマネ」と、「コミュニケーションの鍵となる3要素」だった――。(取材・文:山根洋士)

「NLPは、モノマネから生まれたんです」

 モノマネとNLP? 冒頭から、参加者の虚を突くような話題で語りだした松橋氏。会場はしんと静まり返っている(なにせこのセミナーは「会話術」のセミナーなのだから)。

 聞けば、NLPの創設者の1人、リチャード・バンドラーは、友人たちの間でモノマネの天才と言われていたという。とはいえ、モノマネとNLPの間にいったい何の関係があるのだろう。参加者の疑問をよそに、松橋氏は話し続ける……。

「モノマネがうまいということは、人のクセを見抜くのがうまかったんですね。そのバンドラーが、アメリカで天才と評されていた3人のセラピスト(ゲシュタルト療法のフリッツ・バールズ、家族療法のバージニア・サティア、催眠療法のミルトン・エリクソン)のカウンセリングを録音したテープを文字にする、つまりテープ起こしのアルバイトをしていました。

 3人のもとに来る相談者は、心の病を患っていて、いつ自殺してもおかしくないくらい深い悩みを抱えている人たちばかり。そういう人たちのメンタルを、この3人は次々に回復させていく。その録音テープを聞いているうちに、人のクセを見抜く天才だったバンドラーは、ある重要な事実に気づきます。

 なんと、3人が相談者に対して使っている言葉や、コミュニケーションの方法に、共通する技術があったのです。その技術を体系化して、誰でも使えるようにまとめたのが、NLP(Neuro-Linguistic Programming =神経言語プログラミング)なのです」

 スキルのベースがモノマネだったとは! こう言われると親しみやすいし、自分にもできそうという気にさせてくれる。

 言われてみれば確かに、「アゴを合わせる」というスキルも、モノマネと言えばモノマネのようなものだ。

 どうやらNLPは難解なものではなく、モノマネの延長みたいなもののようだ。それを知って、少し肩の力が抜けた参加者たちに、松橋氏から質問が投げかけられた。

「人がコミュニケーションで使っている道具は、3つあります。一つは言葉、二つ目は声の使い方(トーンの高低やテンポ)、三つ目は、ボディーランゲージ。さて、この3つの重要度、つまりコミュニケーションを左右する影響度をパーセンテージで表すと、それぞれ何パーセントくらいだと思いますか? 」

まあ、普通に考えれば、言葉が70%くらいだろう。言葉がなければ、話の内容が伝わるわけがない……。
声は、20%くらいか。高い声と低い声では、受け手の印象も異なってくるような気がする……。
では、残るボディーランゲージはどうだろう。電話ではボディランゲージが使えないし、ニュース番組のアナウンサーもボディは使ってない。そんなに重要度は高くないはず。10%くらいだろうか。

 大方の予想も似たようなものだった。それを聞いて含み笑いを浮かべた松橋氏が正解を披露する。

「実は、この3要素の重要度は、次のように分かれます。

・言葉……7%
・声の使い方……38%
・ボディランゲージ……55%

 これを『メラビアンの法則』と言います」

 ボディーランゲージが半分以上!? 思いもよらない結果に、会場がざわつく。今まで信じてきた「言葉」が、コミュニケーションにほとんど影響していないなんて……。

「一般的に、コミュニケーションと言えば言葉が重要だと思われています。しかし、コミュニケーションの正否を左右する要素は、ボディランゲージが半分以上、次が声の使い方。このふたつの非言語コミュニケーションで93%。言葉はわずか7%です」

 そんな……。もし9割以上が非言語で決まるなら、コミュニケーション能力を高めるには、非言語の方の練習をしなければならないのでは? 今まで、しゃべりの練習ばかりしてきた自分はいったい何をしていたのだろうか……。

ここで参加者たちの動揺を察知したかのように、松橋氏のフォローが入る。

「そうですね。セールスの指導で『どんなボディランゲージを使ったんだ!』とか、『その声の高さは間違ってるだろう!』と怒られることなんて、まずないですよね。僕も、売れない時代にそんな怒られ方はされませんでした。しかし、実はそれが問題なんです。

 セールスの指導で教えられるのは、営業トークばかりです。挨拶の仕方、話の切り出し方、商品説明のトーク、クロージングの方法、悩んでいるお客さんの説得方法。でも、どれだけ練習してもさっぱり売れません。売れなかった頃の僕も悩んでました。でも、このメラビアンの法則を知れば、練習しても売れないのは当たり前だとわかります。言葉は7%ですから、トークだけ練習して売れる方が不思議なのです。

 そして、ここが重要なポイントです。コミュニケーションがうまい人は、非言語コミュニケーション、ボディランゲージと声の使い方に違いがあるのです。しかも、本人は無意識で身につけて使っています……」

 だんだん、話が本題に近づいてきた。ということは、コミュニケーションがうまい人が使っている、非言語コミュニケーションの技術を身につければ、誰でもコミュニケーションの達人になれるということか!

信頼関係を築くための共通点探し

「コミュニケーションがうまい人を一言で表すと、『ラポール(信頼関係)』を築くのがうまい人。そして、短時間でラポールを築くコツは、共通点を素早く見つけることです。コミュニケーションがうまい人は、会話の中で出身地を尋ねたり、趣味や好きな音楽、映画、スポーツ、本などについて質問して、相手との共通点を見つけようとします」

 共通点探しは、敵と味方を見分けるための大切な能力で、遺伝子レベルでプログラミングされている。言語を持たなかったはるか昔の我々人類は、見た目や声のトーンの共通点で敵か味方かを判断していた。

 それゆえ、人は相手と共通点があると「味方だ!」と、遺伝子レベルで判断して嬉しくなるのだそうだ。

「ただし、これだけでは普通にコミュニケーションがうまい人の域を出ません。みなさんの周りにいる、なぜかすぐに人に好かれたり、絶大な信頼を得ていたり、カリスマ性があったりという、コミュニケーションの達人レベルの人は、会話以外のところで共通点を『作る』能力に優れています。

 それが、ボディランゲージや声の使い方。すなわち、非言語コミュニケーションの共通点なのです」

 非言語コミュニケーションで、共通点を作る……。今まで想像したこともない、まったく新しい考え方の連続に、しばし呆然となる参加者たち。

「難しいことではありません。誰でもやってます。たとえば、6歳の子どもや90歳のお年寄りに対して、どう接するか。コミュニケーションの達人は『でちゅねー』と言葉を合わせるだけでなく、子どものような高いトーンの声で話したり、首をかたむけたり、手をかわいく動かしたりして、子どもと非言語の共通点を作り出しています。

 お年寄りが相手なら、ゆったり構えて、スローペースに話す。これも非言語の共通点を作っているのです」

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金融教育の経験と満足度――日米の大学生で違い

  • 2012/05/10(木) 10:27:01

小・中・高校生のときに、授業で金融教育を受けたことがある人はどのくらいいるのだろうか。日米の大学生に聞いたところ、日本の大学生は39.7%に対し、米国は72.2%と約2倍の差があることが、ビザ・ワールドワイド(Visa)の調査で分かった。

 また金融教育を受けた学生に、その教育は役に立っていますかと聞いたところ「役立っている(少しはを含む)」と答えたのは日本が34.6%、米国が69.4%。満足度においても、米国の学生の半分であることが明らかに。

 金融教育に詳しい横浜国立大学の西村隆男教授(教育人間科学部)は「金融リテラシーは生活設計をするうえで重要かつ不可欠。しかしながら、普段学生と接して感じることは、金融リテラシーがなくても生活はできるし、金銭的被害や詐欺などに自分はあわないと思い込んでいる傾向が強いこと。しかし実際には、就職用スーツのマルチ販売のトラブルに巻き込まれた学生もいる。このようなトラブルに巻き込まれるのは、学生の金融リテラシーが欠けているからではないか」と指摘している。
収支管理に違い

 日本と米国の大学生で、収支管理にどのような違いがあるのだろうか。日本の学生の90.7%は収入は把握しているものの、支出の管理は71.5%にとどまり、収入と支出の把握にギャップがうかがえた。一方、米国の学生は収入が66.1%、支出が63.5%と、収支ともに約6割が把握していることが分かった。

預貯金をしている日本の大学生は83.0%に対し、米国の大学生は79.7%。あらかじめ貯蓄する金額を決めている人の割合は、米国が55.6%、日本が37.5%と18.1ポイントの差があった。

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